FTP測定のコツ 事前の予測と計画・ペース配分を意識してFTP向上を目指すには?
皆さん元気にトレーニング・Zwift、やってらっしゃいますでしょうか。
今回はパワートレーニングをするうえで欠かせない「FTP計測」とそのコツについて解説していきます!
そもそもFTPってなに?
FTP(機能的作業閾値パワー:Function Threshold power)とは
1時間の間、疲労せずに準定常状態で維持可能な最大パワーのことをいいます。
・・・
( ゚Д゚)ハァ?
…えーと、これだとわかりづらいのでもう少しちゃんと解説しますね。
わかりやすく言えば、1時間の間維持できるギリギリのパワーのことを言います。
基礎体力の指標としてパワートレーニングの基本となり、このFTPより高い強度だとめちゃめちゃ疲れます。逆にそれ以下であれば疲労は少なくなります。
RPGでいうと防御力のようなものでしょうか。敵からの攻撃があった際に防御力でダメージを軽減し、HPの減りを抑えますよね?
実際の練習・レースでの強度を攻撃力とすれば、防御力(=FTP)が高ければ高いほど、減らされる体力(=HP)は少なくて済みます。
だから高ければ高いほど有利、というわけですね。
とはいってもこのFTP、日頃なんとなくで設定している人は多いのではないでしょうか?
これは非常にもったいないです。自分のFTPをきちんと把握・トレーニングプランに組み込めればトレーニングの効率は大きく上がります。
FTPをどうやって計測する?
ここから先はパワートレーニングができる環境にいる前提で話を進めます。
個人的にはローラー台、特にZwiftのワークアウトメニューの「FTP TEST (shorter)」で計測することを強くお勧めします。
これはコーガン式測定法とも言われていますが、事前のウォームアップ・5分走などをこなした後、20分全力で走った結果の平均パワーを0.95倍するというものです。
メニューも自動で変わりますし、残り○○分!などが常に見えるので非常に計りやすくおススメです。
もちろんZwiftやってない、という方はローラー台の上で60分全力で走るのもアリです。
実走で計るのはなかなか難しい…と思いますが、計ろうと思えば計れなくは無いと思います。
ただあくまで「テスト」かつ自分のトレーニングの進捗や実力度合いを見る意味もあるので、再現性の高い状況で行うことが大事かなと思います。
その点では、実走ではなくローラー台のほうが圧倒的に影響が少ないですよね。
あとはクランク式のパワーメーターを使っている場合、登りで計測するとどうしても若干パワーが高く出る傾向にあります。トルクがかなりかかるので、構造上致し方ないですが・・・
ポイントはいつも同じ条件で、かつ定期的に計測することです。
では、実際に計測に移りましょう!今回はZwiftの「FTP TEST (shorter)」を使うこととして考えてみます。
FTP計測前の準備
(;゚∀゚)=3ハァハァ お、FTP更新できそうだな。もうちょい追いこむか
~残り3分~
(;゚∀゚)=3ハァハァ
ハァハァハァハァハァハァハァ
ハァハァハァハァハァ
ハァハァハァハァ
やばい、もう足がない・・・失速してまう・・・
~FTPテスト終了~
「あなたのFTPは前回より-10W減です」
( ゚Д゚)いや残り3分で失速しなかったらFTP更新できてたモン!
こんなんつまらんわ!うわートレーニングやる気無くした~!
いざ気合を入れてFTPテストにチャレンジしたものの、残り3分で失速・・・そのままFTPが下がってしまっていたなんて経験は無いでしょうか?僕はあります。
せっかく頑張ってトレーニングしてきたにも関わらず、そうなってしまうのは非常にもったいない上にモチベーションも落ちてしまいますよね。そうならないために準備をしましょう。
準備といっても非常に簡単です。
①目標とするFTPを決める
②20分間出さないといけないパワーを調べる(FTP÷0.95する)
③20分走のうち、5分ごとに出すパワーを考える
この3つです。順番に解説します。
①目標とするFTPを決める
ある程度パワートレーニングを行っていると、パワーデータが蓄積され、管理しているデータからだいたい20分ならこれくらい、10分ならこれくらいは出せるなというパワーが直近の調子でわかってくると思います。
そこで前回のFTP計測から、+10Wとか、+5Wのように目標を決めましょう。
初めてFTP計測を行うという場合や、前回の計測からかなり時間が経ってしまっている場合は、10分間の平均パワーをみるといいのではないでしょうか。
僕の経験則だと、だいたい実走での10分間平均パワー×0.92くらいが実際のFTPにかなり近い値になります。
②20分間出さないといけないパワーを調べる
コーガン式のFTPテストの場合、20分の平均パワー×0.95を行ってパワーを計算するため、逆に目標のFTPから÷0.95すれば20分間出すパワーがわかるわけです。
例として、FTP200Wを狙うのであれば、÷0.95して大凡20分の平均パワー210Wを出せれば達成可能とわかります。これを一つの指標にします。
③20分走のうち、5分ごとに出すパワーを考える
20分走で出すパワーが決まったら、次は20分間を5分ごとに大きく4つに分けて、それぞれの時間帯で出すパワーを決めます。
例えば210Wを目標にするのであれば、
5分ごとに205W→210W→215W→220Wと4段階に上げていきます。
ポイントは最初に低く、最後に追いこんでいくということです。
メニューの途中、10分程度でペースの維持が厳しいとなれば、これ以上ペースを上げない、少しペースを落として軌道修正します。20分キッチリ走り切ることを第一に考えましょう。
もちろん余裕がありそうならパワーをさらに出していくのもありですよ。
④FTPテストが終わったら
20分全力で走るというのはなかなか体にとってはハードです。しっかりとクールダウンを行ってから、シャワーを浴びてストレッチなどで体をほぐしましょう。
それと加えて行ってもらいたいのが、体重測定です。シャワーから上がったタイミングで行うといいと思います。これで自分の正確なパワーウエイトレシオが計れます。
Stravaなど各種SNSと連携している場合は、その時のFTPと体重を記録として残しておくと、後々見返したときいい参考になるはずです。
そして結果を見て、各種サイクルコンピューターやアプリの設定を更新しておきます。適正なパワーでトレーニングすれば、トレーニング効果も飛躍的に上がります。
LAMPテストってどうなん?
↑一分毎に負荷が上がっていくLAMP TEST
体力テストのシャトルランと持久走の違いみたいなもんですね。
LAMPテストは正確性という点では少し劣りますが、短時間でテストが終わるので取り組むまでのハードルがさほど高くない点と、想定以上に自分のFTPが伸びていた場合上限まで測定できる、という点があります。
また、20分パワーの目標設定や計算が面倒な場合でも簡単に測定できるのもメリットですね。
特にトレーニングし始めたビギナーや、久しぶりにトレーニングを再開し始めて自分の実力が大きく伸びている際は前回のFTPから大きく更新されている場合が多いので、こちらのテストも悪くないかと思います。
以前であればRamp Testは一種類しかありませんでしたが、体重の軽い人やビギナー向けに一分当たりのパワー上昇幅が小さい「Ramp Test light」が新しく追加されました。
いきなり20分のFTPテストはちょっと…という方はこちらを試してみるのもアリかもしれませんね。
まとめ
FTPを向上させるには日々の地道なトレーニング・体調管理以外ありませんが、自分の能力を最大限発揮できるようFTPテストの際に意識したほうがいいことを書いてみました。
パワートレーニングはメニューも含めてよく考えられているなあと感じる事が多々あるのですが、その根幹であるFTPをしっかりと正確に計測して初めて最大限効果が出せるといえます。
また、FTPテストを行っても特に変化が無かった・以前より落ちてしまったとしても大丈夫!
自分で設定した目標を達成できなければ、トレーニングが足りていないか、オーバートレーニングを疑うかなどの対策ができます。
途中で失速・・・そののち結果も出せずかつモチベーションも下がる、というパターンが一番もったいないです。
現状の自分がどのくらいの能力・FTPがあるのかちゃんと把握することで次につながります。
多くの地域で緊急事態宣言が解除され、実走でのトレーニングを再開しよう!という方、またこれまで室内トレーニングで行っていた練習の成果が見たい!という方は是非チャレンジしてみてください。
めちゃしんどいですが、自分の成長の度合いを見のは楽しいですよ!
それでは!