EASTON EC90 AERO 55 チューブラー ホイールインプレッション
ロードバイクに乗り始めてからというもの、ずっとカーボンディープリムのホイールが欲しい!!とかねがね思っており、とうとう物欲に負けてしまい購入。
どうせ買うなら、見た目やエアロ性能が抜群な超いかついホイールが欲しい!ということでEASTON EC90 AEROを購入しました。ではでは、早速使ってみてのインプレッションを。
1. ホイールの基本スペック
まず、ホイールの基本スペックは以下の通り。
チューブラータイプのスペック
リムハイト:55mm/リム外幅28mm
スポーク:SAPIM CX-RAY (F16本/R20本)
ハブ:Echo ハブ
重量:1340g
クリンチャータイプであれば、重量は1630g(メーカー公称値) それ以外のスペックはほとんど同じです。
特筆すべき点としては、リム幅が28mmの超極厚リムということ。
ROVALシリーズを始めに昨今ホイールのワイド化が進む中、「リムに厚みを持たせ、風をいなすことでエアロ性能が向上する」ということを早々に実現したホイールといえるでしょう。事実、その速さについてもデータとして示されています。
そして何より、これだけの極厚リム・55mmという高いリムハイトを持ちながらその重量はチューブラータイプで1340gと非常に軽量である点です。
画像を取るのを忘れてしまっていましたが、実測重量も大凡+10gほどで、大きく誤差がなかったようにありませんでした。
あとは何気にスポークの本数が少ないというのもエアロ性能の向上につながっています。特にフロントホイールは常に風の影響を受け続けるわけですから、ここのスポーク本数が少なければ当然エアロ性能も上がります。
また、デザインについても水転写デカール・黒白ベースでロゴが入っており、存在感がありつつもバイクデザインを大きく損ねません。特にフレームメーカーの傘下にあるわけでもないので、ブランドの相性を気にせずどんなバイクにも見た目としてマッチします。
特にチューブラータイプは他社と比べても高いエアロ性能と軽量性をもち、デザイン性も両立しているといえます。では、実際に使ってみての感想を。
2. 良かった点
体感できるだけの巡航性能がある
何と言ってもこれにつきます。このホイール、試乗含め今まで使ってきたホイールの中でも抜群にエアロ性能が高いです。巡航している最中にキュルキュルと風を切って進んでいる音がホイールから聞こえてくるほどでした。
極厚リムのためもあってか、漕いでいてスルスルと速度を上げることができ、その維持も非常に楽です。これだけでこのホイールを買ってよかったなぁ…と感じられます。
平坦での巡航・エアロ性能を第一に求めているのであれば買って間違いはないです。
試乗を除いて自分がメインで使っていたホイールとざっくり比較すれば
EC90 AERO55 >デュラエース WH-9000 TU50≒マビック コスカボUST > レイノルズ アサルト(初期)>フルクラム レーシング3
といったところでしょうか。
↑↑25mmのタイヤを使っていてもこの存在感。リムの厚みと高さが感じられます。
横風の影響はそこまで大きくない
リムのエアロ性能がかなり高いからか、55mmという高いリムハイトにも関わらず横風の影響はあまりないように感じました。もちろん風の強い海沿いや、ビル付近の強風などは気をつけないとハンドルを持っていかれますが、普段走っている中で不意に横から風が吹いてくる程度で車体が大きく持っていかれることはありませんでした。
ちなみに筆者の体重はその時53kgほどだったので、これよりさらに体重のある方はより安定して使えると思います。
硬すぎず、重すぎない絶妙なバランス
ディープリムはスポークが短くなり、リム自体の剛性も上がることからホイール自体の剛性が高めになりがちですが、このホイールはそこまで過度に高い剛性を持っているようには感じませんでした。
ただ、硬いが柔らかいかでいえば間違いなく硬めのホイールであることは間違いないです。下りのコーナリングやダンシングの際に大きくたわみや不安を感じることは全くといっていいほどありませんでした。
出力に対してリニアに反応するというよりも、わずかに一瞬タメを作って加速していく感じです。
また、チューブラータイプはリムそのものが軽量なこともあり、ダンシングでバイクを振った時もホイール自体の重さはあまり感じませんでした。ヒルクライムで淡々と回していくうちも、特に引っ張られるような重さはないため大きなデメリットなく登れると思います。
3. 微妙な点・不満点
ダイレクトマウントブレ―キだと調整が難しい
これがこのホイールを手放した一番の理由です。自分の使っていたフレームが古いモデルだったためダイレクトマウントブレーキの許容幅がかなり狭く、ブレーキの引きしろがほとんどない状態でした。
ちょっと握っただけですぐにフルブレーキになってしまうし、ダンシングの際にシュータッチすることもしばしば。
ホイール自体の性能には問題ないのですが、外幅28mmという極厚リムはシマノブレーキの許容範囲ギリギリです。購入する前にフレーム・ブレーキの許容幅を確認しておくべきかと思います。
リム内ニップルのため、メンテナンス性が悪い
クリンチャータイプはそうでもないのですが、チューブラータイプであればニップルが外出しではなくリム内にあるため、フレが出たときなどメンテナンス性が非常に悪いです。
特にチューブラーの場合タイヤをはがす・リムテープを除去する・振れをとる・リムテープを張りなおして新しくタイヤを接着と手順が多く、常用するには使いづらいです。
ブレーキ性能は普通
BORAやMAVICのホイールのように、ブレーキ面にレーザー加工等がされているわけではなく普通のカーボン面なので、それらと比べると制動距離はどうしても伸びてしまいます。特に雨の日などブレーキ面が濡れてしまっている場合はかなり怖さを感じました。
ただ一般的なカーボンホイールと同程度、というだけであり極端にブレーキ性能が悪いわけではないです。ストップ&ゴーの多い街中では少し気を使う必要がありますが、晴れた日の下りでのスピードコントロール・ブレーキ性能に関しては特に不満は感じませんでした。
↑↑特にブレーキ面に特殊加工はなく、普通の状態です。
4. こんな人にオススメ
いかがでしょうか。やはり、平坦での巡航速度を上げたい・周りに後れを取りたくないという方にはかなりオススメです。
デメリットらしいデメリットも、ホイール本体というよりはチューブラーホイールであることに起因することが多いので、そこが許容できる人であればかなりいい選択肢だと思います。
もちろん耐久性もしっかりと確保されており、ガンガン常用しても大丈夫かと。
極厚リムのエアロ性能を体感してみてください!それでは。